ペルーカエタノエレディア大学大学院教授
(ラテンアメリカ免疫学会会長)ホセ・アギラー・オラノ
キャッツクローは、ペルー古来の伝承薬として知られている植物です。学名は、ウンカリア・トメントーサといい、一連の薬理成分が存在していることが伝統的に伝えられてきました。キャッツクローがペルーでは昔から、そして今や世界中で使用されていますが、ヒトにどのように利用されてきたかに関する情報は、数多く存在しています。その主なものは、関節リウマチ、ウイルス感染病、臓器の消耗回避による老化防止、長期間利用することによるガンの予防、ガン患者の治療にも有効な免疫調節作用、抗炎症作用、などが知られています。
これらの有効性は、インビトロ、動物・ヒトを対象にしたインビボの実験・試験によって明らかにされています(1)。
キャッツクローには、炎症を抑えたり回避したりする力があります。この特性は、科学的にいくつかの研究事例が実施され確認されています(2-4)。
世界的に有名な科学雑誌に発表された研究論文そして何千という人たちが利用してその抗炎症作用を体験しています。たとえば、肩の痛み、背中の痛みなどもキャッツクローを飲んで楽になるというケースはよくあります(5-6)。
キャッツクローは、炎症を起こすヒトの細胞の現れるのを減らす作用のあることは、科学的に証明されています(7)。そればかりか、炎症を起こす細胞は、免疫系の中の炎症を増やす他の細胞との連絡をつかさどる物質を産生しません(8)。換言すると、キャッツクローは、炎症を起こす細胞の内部に炎症の元になる作用機序に関与するわけです。すなわち、炎症を起こす分子がどう作用するかにキャッツクローは関与するということです。ですから、キャッツクローは、炎症によって感じる痛みのあるヒトにそれを緩和する働きをします(2,3)。
さらに、キャッツクローは、DNAの障害を避ける力をもっています。ヒトの老化現象というのはいろいろな理由によって生じます。最もよくあるケースは、細胞の老化です。すなわち、DNAの障害です。老化のもう一つの特徴は、障害を受けたDNAが細胞が必要とする時期までに修復できないということです。これが細胞の老化になり、その人の老化が進む所以となります。キャッツクローは、正常な細胞のDNAの障害を減らすばかりでなく、傷ついたDNAの修復力を向上します(9)。これは、とりもなおさず、キャッツクローに細胞そしてヒトの老化を回避する能力があることを物語っています。
さて、ヒトの場合の老化現象には、関節の構造にそれが起こるという特徴があります。変形性関節炎といわれる現象です。その主な原因は、関節にある軟骨の老化です。軟骨は、白色の光沢のある構造をしており動物の関節に存在し、二つの骨を接合させて関節を構成する部位です。ヒトの関節が老化するのは、軟骨から始まります。ここで、キャッツクローは、関節構造の老化を避ける大切な役割を演じることができます。現在、市場では、グルコサミンやコンドロイチン硫酸などが軟骨の老化を防いだり遅らせたりするのを助けるということで人気がありますが、この老化現象には定期的に炎症が起こるものです。ですから、グルコサミン・コンドロイチンの力とキャッツクローの老化防止能力と抗炎症能力を融合すれば、変形性関節炎の予防にすばらしい効果が期待できます。私のクリニックの関節炎患者には、キャッツクローとグルコサミン・コンドロイチンの複合品を薦めています。その結果は顕著に改善を示しています。
そのほか、キャッツクローには、悪性細胞すなわち新生細胞を死亡させる力があります。つまり、抗がん作用です。数々の研究がこれを証明しています(4,10)。私どもの研究グループは、最近インビボでがん細胞を誘発させた後それをキャッツクローで活性を抑制することに成功した研究を発表しました(11)。ガン腫瘍を酸化させるキャッツクローの力がそのメカニズムだと考えられます。キャッツクローの抗がん性は、人類の健康維持に有益ですから積極的に研究していくべきだと思います。
参考文献
1.Aguilar JL. Molecular and Clinical-Based Support for the Use of Peruvian Natural Product Extract as an anti-inflammatory Agent. Sharing Innovative Experiences. United Nations Development Programme. Vol 10. 2005
2.Aguilar JL, Rojas P, Marcelo A, et al: Anti-inflammatory activity of two different extracts of Uncaria tomentosa (Rubiacear). J Ethnopharmacol 2002;81:271-276
3.Allen-Hall L, Arnason JT, Cano P, Lafrenie RM. Uncaria tomentosa acts as a potent TNF-α inhibitor through NF-κB. J Ethnopharmacol 2010;127:685-93
4.Kesson CA, Lindgren H, Pero RW, Leanderson T, Ivars F. An extract of Uncaria tomentosa inhibiting cell division and NF-nB activity without inducing cell death. Int Immunopharmacol 2003;3:1889-1900
5.Aguilar JL, Barrantes F. Open Clinical Trial on the Anti-inflammatory Effect of Uncitolina in rheumatic illness. Proceedings of the Ist International Congress on Immunology. Lima, Peru. 2001
6.Piscoya JL, Rodriguez Z, Bustamante SA, Okuhama NN, Miller MJS, Sandoval M. Efficacy and safety of freeze-dried cat’s claw in osteoarthritis of the knee: mechanisms of action of the species Uncaria guianensis. Inflam Res 2001;50:442-8
7.Aguilar JL, Lozada I, Carlier I. Inhibition of expression of ICAM-1 in human PBMCs by Cat´s Claw extract. Proceedings of the 14th International Congress on Immunology. Montreal, Canada, July 2004.
8.Sandoval M, Okuhama NN, Zhang XJ, Condezo LA, Lao J, Angeles FM, Musah RA, Bobrowski P, Miller MJS. Anti-inflammatory and antioxidant activities of cat’s claw (Uncaria tomentosa and Uncaria guianensis) are independent of their alkaloid content. Phytomedicine 2002;9:325-37
9.Sheng Y, Bryngelsson C, Pero RW. Enhanced DNA repair, immune function and reduced toxicity of C-MED-100™, a novel aqueous extract from Uncaria tomentosa. J Ethnopharmacol 2000;69:115-26
10.Pilarski R, Poczekaj-Kostrzewska M, Ciesioka D, Szyfter K, Gulewic K. Antiproliferative activity of various Uncaria tomentosa preparations on HL-60 promyelocytic leukemia cells.
11.Dreyfuss AA, Bastos-Pereira AL, Avila TV, Soley BD, Rivero AJ, Aguilar JL, Acco A. Antitumoral and antioxidant effects of hydroalcoholic extract of cat´s claw (Uncaria tomentosa) (Willd. Ex Roem. & Schult) in an in-vivo carcinosarcoma model. J Ethnopharmacol 2010;130:127-33